遺伝子検査の『検査項目』について
今回は前回の内容の続きになります。
前回は遺伝子検査で大事の『精度』についてを説明していますので、読まれていない人は先にそちらの記事をお読みください。
https://luregene-fitness.com/blog/gene/20220803-910/
では今回は遺伝子検査の『検査項目』になります。
遺伝子検査での検査項目は多い方が良いと考えている人は多いと思います。
もちろん、私自身も『同価格かつ検査目的がはっきりとしているもの』に関してのみ、検査項目が多ければ多いほど良いとは思います。
しかし、ここで考えていただきたいのが、遺伝子検査を受ける目的になります。おそらく、受けられる人の大半が『ご自身の先天的要素を把握して、現在の食生活にいかしていくこと』になると思います。
この目的から考えていくと、検査項目は多い方がよりお体の先天的要素を把握しやすいと思いますが、実は遺伝子の分野では、検査項目が多すぎることにより逆に検査項目数が多いことがデメリットになる場合があります。
それは主に下記の3つになります。
1.遺伝子検査を行う目的がずれてしまう。
2.遺伝子は複合的に影響するので、影響の少ない遺伝子まで調べてしまうと逆に把握しずらくなってしまう。
3.価格が高額になりやすい。
細かく説明していきます。
これは一般の健康診断の結果を例にするとよく分かりやすいのですが、例えば糖尿病の判断で指針となるヘモグロビンA1C。これが基準値より高くなると糖尿病の可能性が高いと診断できるのですが、詳細の検査をすればヘモグロビンA1C以外の検査数値から糖尿病の判断はより正確になります。
しかし、実際はそこまで検査しなくても糖尿病の判断はできますよね。これはヘモグロビンA1Cが糖尿病であることを示す『大きな要因になるから』です(私自身が医学に精通しているわけではないので、間違っていたら申し訳ございません)。
そのため、わざわざ多くの検査項目で精密検査を行わなくても、大きな要因を占めるヘモグロビンA1Cを検査すれば、糖尿病であるかの判断がつくわけです。
もちろん、精密に検査すればより確実性が上がるので、多くの項目の検査を行うに越したことはないのですが、その分費用はかさむわけです。
つまり、糖尿病の判断をするのであればヘモグロビンA1Cを検査すればよい、と言うことになるのです。
そもそも健康診断は何かの疾患もしくは疾病であるかの判断を『目的』に行いますね。健康診断の示す結果から、身体全てが健康体であることが導き出せるわけではありませんよね。
これは遺伝子検査にも同じ当てはまることになります。
遺伝子検査を行ったからといって、身体の全てがわかるわけではなく、解明したい遺伝子、例えば糖質の燃焼に関わる遺伝子(β2AR)や脂質の燃焼に関わる遺伝子(β3AR)がどのような状態であるかを判断するものであります。
つまり、例えばダイエットを目的に行う遺伝子検査では代謝に関わる遺伝子を調べ、運動性能を把握することを目的に行う遺伝子検査は筋肉の収縮力に関する遺伝子(ACTN3)等を調べるわけです。
そして検査すべき遺伝子は、その分野で最も影響力が大きいものになります。
基本はホルモンや神経伝達物質を受け取る受容体(レセプター)タンパクの遺伝子が対象となることがほとんどですが、生理学上、その専門分野以外にも少なかれ影響を及ぼします。
例えば、先ほどの糖質の燃焼にメインで関わる糖質代謝(β2AR)は、脂質燃焼にも多少の影響を与えますが、それは微々たるもの。脂質の燃焼は脂質代謝(β3AR)のみで脂質の燃焼に関わっているわけではなく、糖質代謝(β2AR)や他の遺伝子も関わっていますが、影響としては微々たるもの。
つまり、遺伝子は複合的に影響をするため、専門分野以外への影響は大きくないですが、少なからずは関わっているので検査項目としての同じ分野に入るのです(脂質の燃焼にβ3AR以外にもβ2ARも記載される。しかし、圧倒的に影響が大きいものはβ3AR)。
確かに、上で例を挙げたように様々な遺伝子が複合的に作用するのは事実ですが、影響力が微弱であり、その遺伝子まで調べる必要はありません。そのため、その分野でメインで影響している遺伝子のみ調べれば十分なのです。
ここまで説明すれば検査項目が多い遺伝子検査はどうか?については大方予想はつくと思います。
遺伝子検査を行うことが目的ではなく、具体的に何を知りたいか(例えばダイエットなのか、運動性能なのか)がはっきりしている状態で遺伝子検査を行うことが大切で、目的がはっきりしているのであれば検査する遺伝子項目は重要な影響を与えるものだけ調べることが最も効率的になります。
もちろん検査項目が増えればより細かく分析することはできますが、影響の少ない数多くの要素を分析することは把握を格段に難しくするだけで、結果的に結論は変わりません。
イメージでいうと、大学入試センター試験(最近は共通テストになったらしいですね)の点数を890点→895点にするようなものです。900点満点のうち890点であるなら十分という感じです。
当然費用的な面も検査項目が多くなればなるほど高額になります。
前回説明した検査の精度を踏まえると、検査項目が多く価格が安価な遺伝子検査の信憑性は幾分不安があります。
結局のところ今回のテーマである検査項目ですが、検査項目の数が大事であるわけではなく、『何を目的に遺伝子検査を行うか』をはっきりさせ、『その目的を把握できる必要最低限な項目がわかれば十分である』と私は考えます。
検査項目が多くても結果を活かすことができなければ何の意味もありませんからね。
前回の内容も含めると検査精度が高く必要最低限な検査項目が満たされている遺伝子検査が最もコスパが良くなります。
大事なところにはしっかり費用はかけ、不必要なところは省く。
これがLuregene Fitnessが採用している遺伝子解析であります。
さて、前回と今回で遺伝子検査の大事なポイントを説明しましたが、次回はLuregene Fitnessが採用している遺伝子検査キットの検査項目及び内容について紹介していこうと思います。
ではまた次回に!
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